関東ブロック商工会議所青年部連合会
会長所信
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか・・・故郷を離れ、遠く南の島に渡った一人の画家は、人生の集大成として描いた絵画を、こう題しました。それから120年余り。高度に発展した科学技術をもってしても、人類はその答えを見出すことができません。私達が生活している日本という国は、2685年前に建国されたと言われています。建国から現在に至るまで、同一の王朝が存続しているのは、全世界でも日本だけ。万世一系の統治において、独自の文化を築きながらも、自ら西洋化・近代化を果たし、民主主義を受け入れました。精神的支柱を持ちながらも、それに固執することなく、変化を受け入れる。私達の先祖は、そうやって日本という国を築き上げてきました。戦禍からの高度成長により経済大国になった我が国ですが、「失われた20年」と称される平成の大不況、令和初頭のコロナ・ショック、さらに急激な円安・資源高による価格高騰が続き、不安定な時代を迎えています。さらに、生産年齢人口の激減や、温暖化による自然災害の甚大化は、かつての歴史書には記されていなかった「新たなる脅威」として立ちはだかることでしょう。徳川家康公が関八州に移封された16世紀後半、ここ関東は我が国の経済・文化・政治の中心地として歩み始めました。現在、4000万人以上が生活し、約2.2兆ドルのGDPを生み出す、ひとつの国家に相当する規模の地域となっています。
そんな関東地方で生活し、事業を営む私達は、地域の未来、日本の未来、そして世界の未来のために、何ができるでしょうか。関東ブロックYEGが組織されて45年、私達はずっと考えてきました。単会や道府県連と異なり、ブロックには親会がありません。それゆえ、ブロックのあり方や、その活動は、各ブロック三者三様です。関東ブロックは、創設以来二十数年に渡り、会長や理事を中心とする役員のみの組織でした。そんな中、平成18年にスクラム推進委員会が創設され、役員以外のメンバーがブロックの運営に参加するようになりました。スクラム推進委員会は形を変えながらも成長し、いまや130名を超えるメンバーが所属する大組織です。関東ブロックを担ってきた先輩方は、関東ブロックYEGに所属する単会のメンバーに対し、ひとりでも多く、ブロックとの関わりをもって欲しい。そういった気持ちがあったのではないでしょうか。関東は他のブロックに比べ、単会との繋がりに濃淡があると言われています。ともすれば、出向者のみが関東ブロックYEGのメンバーであると勘違いしかねない。県連と異なり、各単会の会長は関東ブロックの役員として名を連ねるわけではありません。そのため、関東ブロックに属する88単会の「顔」が見えづらくなってしまう。大きな組織であるが故のジレンマですが、だからこそ単会に目を向け、声を聞くことが何よりも大事なのです。88単会、そこに所属する8000名を超えるメンバーとの絆を強くすべく、初代曽我隆一先輩以来、39名の会長が力を尽くしてきました。関東ブロックの潜在能力は、私達の想像をはるかに超えるでしょう。7県連・88単会の絆とPASSIONで、その想像をカタチにする。それが、未来につながってゆくのです。
令和7年度、第1回全国大会が開催された関東ブロック群馬県連に、全国大会が帰ってきます。日本YEGのはじまりの地でもあるこの関東。過去にない脅威に立ち向かう時代だからこそ、現在を生きる私達がひとつになって、未来を創る。その未来は、次代に引き継がれ、やがて歴史になる。その歴史が、われわれが向かうべく場所へいざなう、ひとつの光となるでしょう。
令和7年度、関東ブロックYEG。その活動は、出向者のみによるものではありません。すべてのYEGメンバー、自企業で働く方々、地域の方々、そして家族。数えきれない方々の支えがあって、成り立っています。深い感謝の気持ちを持つと共に、支えてくれる方々に恥じない関東ブロックを創り上げましょう。 一年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。
関東ブロック商工会議所青年部連合会
令和7年度会長 高倉光俊